博物館動物園駅

都会の中のミステリーゾーン 幻の地下駅


風格のある駅出入口跡
屋根の装飾など、非常に凝った造り

駅入り口横に掲げられているプレート
どうやら正式廃止時に付けられたようだ

東京都美術館の裏にあるもう一つの出入口
コチラは駅休止よりだいぶ前から閉鎖されていた
【歴史】

 博物館動物園駅は、昭和8年の上野公園(現・京成上野)〜日暮里間開業と同時に設けられた駅。当時、中間駅はここだけでなく、日暮里駅とのあいだに「寛永寺坂」という駅もあった。

 その後博物館動物園駅は、施設の老朽化やホーム有効長が4両分しかないなどの理由から平成9年に営業休止になった。その後しばらくはそのまま放置されていたが、平成16年4月1日をもって正式に廃止となった。しかし、駅の遺構はそのまま残されるようで、電車内からも暗闇の中に浮かぶこの駅のホームが確認できる。

 平成30年11月23日より、駅構内を利用した美術展が開催され、およそ21年ぶりに一般人が内部を見学できるようになった。しかし、安全上の都合でホームまで行くことはできない。

【ホーム構造】

 ホームは地下相対式2面2線構造で、上下ホームは線路の下をくぐる地下通路で結ばれていた。もちろん、エレベーターやエスカレーターはなかった。

【改札口・出口】

 改札口は1カ所のみで、上りホーム側にあった。最後まで自動改札機はおろか自動券売機すらなく、駅員が乗車券を手売りしていた。出口は休止時には1カ所のみだったが、はるか昔には「動物園口」というもうひとつの出口があった(左記下写真)。この出口がいつごろ閉鎖されたのかは、調べがついていない。

【その他特筆事項】

 この駅は週刊少年ジャンプ連載の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で取り上げられ(第95巻第2話「幻!?の博物館動物園駅の巻」)、漫画のファンなどが大勢訪れるようになった。作中で下りホームにあった「不気味なペンギンの絵」が取り上げられたため、訪れたファンがそこにメッセージを落書きする事態になってしまった。ちなみに、下りホームの上野寄り先端部にはゾウの絵もあった。

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駅データ

駅名の読み はくぶつかんどうぶつえん
開業年月日 昭和8(1933)年12月10日
休止年月日 平成9(1997)年4月1日
廃止年月日 平成16(2004)年4月1日
所在地 東京都台東区上野公園
営業形態 廃止駅
旧所属路線 京成本線
旧乗り入れ路線 京成本線

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